パパ活バトル
パパ(♂):40代 妻帯者 18歳の娘持ち(名前は「さち」)
きり(♀):21歳 18歳と偽ってパパ活を試みる 大学生
き(はあ…。緊張するぅ。初めてのパパ活だけど本当に…相手の人は来るのかなぁ。でも来てくれないと今月ピンチだし…。)
パ「やぁ、待たせたね!」
き(もうかれこれ15分も経過してるのにまだ来ない。あーもうどうしよー。やっぱ帰ろうかなぁ。)
パ「え?違う?あはは、ごめんねぇ。」
き(パパ活って何するんだろ。ちーちゃんの話だとご飯とかカラオケ行くだけでお小遣いもらえるって話だったけど…。)
パ「やぁ!待たせたね!」
き(でもでも!もしかしたら、「ちょっと休んでいこうか?」とか、いかがわしい所に連れていかれちゃう事もあるのかなぁ…。あーもう!やだなぁ…。)
パ「え?違う?おかしいなぁ、ごめんねぇー!」
き(それにしてもさっきからあのおじさん、誰か探してるのかなぁ…。あ、こっち来た…もしかして?)
パ「やぁ!待たせたね!」
き「え?」
パ「きりちゃんかな?」
き「え?あ、は、はい…。」
パ「やっぱりそうだ!あはは、写真のまんまだねぇー!」
き(いや、写メ送ってあるんだから他の子と間違えてんじゃねーよ!)
パ「さてと、立ち話もなんだし、取り合えずご飯行こうか?」
き(遅れてきたのにお詫びも無しか!あ、いかんいかん。この人からお小遣いもらうまでは大人しくしとかなきゃ。)
パ「きりちゃんは何が食べたい?なんでもいいよー?おじさん今日なんでもおごっちゃう!」
き「ななななんでも?」
パ「あーなんでもいいよー!」
き「え、じゃあ…や、やきにく…がいいな?」
パ「焼肉かぁ!いいねぇ!スタミナ大事だよね!」
き(しまったぁー!スタミナつけるとか、なんか発想的に休憩コースのフラグ立てたかも!!)
パ「どこの焼肉にしようか?」
き(まって!落ち着くのよ!私は今JK!淫らな事はNGってことで会う約束してるし、多分、大丈夫!)
パ「焼肉は久しぶりだなぁ。どこにしようか?」
き「えっと、じゃあ…じょじょえ…。」
パ「昔はよく焼肉行って女の子達にごちそうしたなぁ。この辺に美味しい店があったんだけど、不景気で潰れちゃってね…。」
き(いや、聞けよ!私は叙々苑に行ってみたいんだ!潰れた店の話なんて聞いても腹膨れないから!)
パ「あの頃は大体5万くらいは使ったなぁ。お店の女の子とアフターで行ったりしたなぁー!」
き「あ、はぁ…そうなんですね…。」
パ「その子、牛タンが好きで、何皿も牛タン頼んでさぁwww」
き(知らねーしっ!!そいつが牛タンどんだけ食おうが知らねーから!こっちは金なさ過ぎて気が付くと自前のタンをハムハムしてんだよ!!)
パ「いやぁ懐かしいなぁ。でも今ってリーズナブルのお店も多いよねぇ!」
き「え?あ、そうですね。」
パ「さて、どこにしようか?」
き「あ、あのぉ、そこのじょじょえ…。」
パ「ん?そこ?あー、安楽亭かぁ。」
き(え?はっ!やっちまったー!なんで叙々苑の横に安楽亭があんのよ!なにこれ?なにこの軽い格差社会の入り口!)
パ「でも本当に安楽亭なんかでいいのかな?」
き「え?あ、じゃあ…じょじょえ…。」
パ「まぁ安楽亭も美味しいもんね!じゃあそうしようか!」
き(って聞けよ!牛肉なんて誕生日とクリスマスでしか、食べさせてもらえない家だったんだよ!叙々苑くらい夢見てもいいだろ!!)
パ「ちょうどランチタイムだね!じゃあおじさん、ダブルカルビ定食にしちゃおうかな!!」
き(背に腹は代えられない。それにどんなに高級なお肉を食べさせてもらえなくても、きっと私の胃袋、安楽亭で喜んじゃうかも…。)
(間)
パ「いやー食った食ったぁー!美味しかったねぇー!」
き「あ、はい…。ごちそうさまです。」
パ「先週も家族で安楽亭に来たんだけどねwww」
き(うざっ!まじうざっ!)
パ「次はどこ行こうか?」
き「え?あー、じゃあカ…。」
パ「カラオケ?いいねぇー!こう見えてもね?おじさん、若い子の歌好きなんだよ!AKBとかね!」
き(食い気味かよ!私はカフェ行きたいって言おうと思ったんだよ!どんだけフラゲなおっさんだよ!)
パ「うーん、どこのカラオケ行こうか?女子高生だとどんなところに行くのかな?」
き「いや、あの…スタバに…。」
パ「え?まねきねこ?まあ、女子高生だとお小遣い少ないだろうから、まねきねことか手頃かもねぇ。」
き(おいぃぃぃ!そりゃ一件目は、指さした方向に叙々苑と安楽亭があって、私のニアミスだったよ?カラオケは食い気味で、「カ」って言葉から連想されたのかもしれない!)
パ「確かスマホに、まねきねこのアプリ入ってたからちょうどよかったw」
き(だが、まねきねこは完全に聞き間違いでもなく、このおっさんのリードによるもの!はっ!まさか…、カラオケボックスという隔離された空間で私のことを…。くそぉ!でもお金のため!今月の生活費のため!我慢我慢!だけど何かで時間稼ぎをしつつ方向転換せねば!)
パ「じゃあ行こうか!いやーカラオケ楽しみだなぁー!」
き「あ、でも私、じょ…じょ…ジョイサウンドがいいかなぁ…なんて。」
パ(ふっ…。このパパ活歴3年の俺が聞き間違いなどするわけがない。どうせカフェとかいうつもりだったのだろう。)
き「それに私あと少しでジョイサウンドのポイント溜まるんだよねぇ…。」
パ(パパ活とは、如何に女の子ウケを狙うかではなく、如何に俺が年下女子とデート気分を味わうかだ。)
き「だからジョイサウンドならいいかなぁ…って。」
パ(よし!計算通りだ!写メがあるのにわざと人違いを演じ、自己中おじさんのイメージを植え付け、食事を安く済ませた!そして密室を避けたい心理を逆手にとり、お金が欲しいがために自分からカラオケに行くことを妥協させる。完璧だ!)
き「だ、だめかなぁ…。」
パ「うーん。」
き(そうよ!今私はJK!ここは甘えた感じに上目遣いでおねだりだわ!一方的に主導権を握らせてはいけないって私の本能が囁いてる!)
パ「ちょっと遠いけどそうしようかw」
き「やったー!」
パ(無邪気キャラに切り替えてきたか。だが、上目遣いで甘えられるのは俺のもっとも好物な仕草だ。)
き「じゃあ早速いこ!パパ!」
パ(俺の見立てでは、この子はJDだ。本来の守備範囲はJKだが、童顔で小柄という点では合格点。なにより俺の…タイプだ!)
き(よし!軌道修正は完璧!ジョイサウンドまでの道中、なにを隠そうスタバがあるのだ!途中で「喉乾いた!」とでも言って、カラオケからスタバにクラスチェンジを図る!私…天才!)
パ(甘いな!そのスタバは今日は臨時休業なのだよ!今日という約束を取り付けてから、グーグルでこの近辺の情報は全て掌握済みだ!)
き「ねぇパパぁー!」
パ「なんだい?きりちゃん。」
き「私、喉乾いちゃった…。」
パ(キターーーーーーーーー!俺は自分が怖い…。怖いくらいに手に取るように計画通りだ!)
き「そこのス…。」
パ「残念、スタバは今日は休みみたいだよ?」
き「ううん、すかいらーくに寄らない?」
パ(な、なにぃー!!なぜ今時すかいらーく??)
き「ジョイサウンドまでまだ遠いし、少し寄ろう?」
パ「あ、うん。」
き(ふふふ、この辺は高校時代の私の庭。スタバが目に入った瞬間に臨時休業だったのは少し焦ったけど、ま、それは誤差。)
パ「あ、でもほら、カラオケボックスなら色んなジュースとかもあるし…。」
き「えー、きり、さっきの焼肉で喉乾いちゃったんだもん。ねぇーだめぇー?」
パ(くっ…俺の腕に抱きついてきて上目遣い…。しかもほのかにいい香り…。)
き「ほら、もうすぐそこだし!」
パ「あ、うん。そうだね。」
(からんころーん)
き「窓際の席だね!私、窓際すきなんだー!」
パ「そ、そっかwじゃあ、コーヒーでいいかな?」
き「うーん、あ!これ!クリームソーダ!」
パ「わかった。すみませーん!オーダーいいですかー?」
き(あ、ウエイトレスさん。結構かわいい子だなぁ。)
パ「えっと注文なんですけど、コーヒーとクリ…!な!」
き「ん?」
パ「サチ!お前ここでバイトしてたのか!」
き「え?」
パ「いや、サチ!違うんだ!この子はそのぁ…あれだよ、ね?きりちゃん!」
き(ん?…もしかして娘?これはチャンス!!!)
パ「ちょっとこの子に頼み事があって…。」
き「初めまして!サチ…ちゃんかな?お父様から家庭教師の依頼を受けて、その契約にきたの。来月からよろしくね!」
パ(ナイスフォロー!きりちゃん!この際、JKと騙したことは目を瞑ろう!そしてこれを口実にきりちゃんと今後もデートを…ぐふふ。)
き「じゃあ月謝は前払いで月5万円とういうことでよろしいですね?」
パ「あ、あぁ。え?高っ!…じゃあ…はい5万円。」
き「1、2、3、4、5ッ…と。確かに!」
パ「じゃ、じゃあ来月から頼むね。ほら、サチも挨拶しなさい。」
き「はい!では、私はお先に失礼します!」
パ「あ、うん。じゃあよろしくお願いしますね。」
(からんころーん)
き(ふふふ、さて、LINEはブロックしてぇ、マッチングアプリも退会っと…。いやー。最初はどうなると思ったけど案外ちょろいなーw)
パ「じゃ、じゃあパパ仕事に戻るから。サチもバイト頑張れよ!ははは!…あっ!きりちゃんに住所とか教えてなかった!LINE、LINEっと…あれ?通話に出ない。あれ?」
き(サチちゃんにはごめんなさいだけど…次のターゲットは誰にしよーっかなぁー!)
パ「え?ちょっ!まじ?マッチングアプリも退会してんじゃん!!え?あ、いや、違うんだよサチ!出会いとかそうゆうんじゃなくて…ちょっ、なにその虫を見るみたいな目!やめて!お母さんには言わないでよー!!」
き「パパ活!ばんざい!!」
終わり