マフラー

2022年09月19日

主(♀17歳)  :

彼(♂17歳)  :

母(♀40代前半):

父(♂40代半ば):


母「やだもぉー!お父さん!帰宅後はコートくらい脱いでよ!」

父「うぅー寒かったー!おおお!美味そうだなー!主も好きなハンバーグじゃないか!」

母「いいから早くマフラー脱いで!もお!」

父「あ、母さん。またマフラーほつれちゃってるから直しておいてくれないかな?」

母「はいはい、わかりましたよ。」

主「ねぇねぇ、お父さんのそのマフラーってもうボロボロだけど、新しいの買わないの?」

父「ん?あーこれか。お気に入りだからいつもお母さんに直してもらってるんだ。」

母「ふふふ…。」

主「え?なに、お母さん。なんで嬉しそうなの?」

母「だってこのマフラーはね?お母さんが初めてお父さんにプレゼントしたものなの。」

父「ちょっ…お母さん。さすがに娘の前では恥ずかしいじゃないか!」

主「へーっ!…ってもう何年使ってるのそれ!?」

母「うーん、あなたが生まれる前だから…20年位は前かもねぇ。」

主「え!?すごっ!」

父「あんまり恥ずかしい話はよしてくれよ?ちょっと着替えてくる。」

母「お父さん照れ屋だから。」

主「ねね、お母さん!お父さんになんでマフラーをプレゼントしたの?」

母「うーん、きっかけはデートの時にお父さんのマフラーを破いてしまって…。」

主「え?どういうこと??」

母「お父さんね、初デートの時にお母さんにマフラーかけてくれたの。その時、お母さん、木の枝に引っ掛けちゃって、お父さんのマフラーを破いちゃったの。そのお詫びにあげたマフラーなのこれ。」

主「へぇーーーーー。ん?一本のマフラーを二人で巻いてたの?」

母「そうよ?」

主「そっかぁー。」

母「主はいい人いないの?」

主「はぁ?べべべ別にぃー。いないし…。」

母「ふふふ。」


(翌日の下校時間)

主「はぁ…。さむーい…。」

彼「よぉ。」

主「あれ?彼君。部活終わり?」

彼「いや、委員会の帰り。」

主「そっか。」

彼「一人か?」

主「え?うん。」

彼「じゃあ…一緒に帰るか?」

主「え?…うん。」

(間)

主(ど、どうしよ…。彼君が隣にいる…。)

彼「主さぁ。」

主「え?」

彼「あー、うーん。その…寒くないのか?」

主「え?さ、さ、寒くないよ…。」

彼「ふーん…。」

主(え?なに?どういうことなんだろ…。)

主「あ…はっ…はっ…はっきゅしゅん!」

彼「え?」

主(くしゃみしちゃった!は、は、恥ずかしい…。)

彼「主、ちと待って。…ほらっ。」

主「わっ…。」

彼「少し短いけど…我慢しろよな。」

主「あ…。」

彼「ん?」

主「…あったかい…。」

彼「そか。」

主「ありがと…。」

彼「お、おう。」

主「あ!あのさ…。」

彼「ん?」

主「えっと、きょ、今日の委員会はどうだったの?」

彼「なんだそれ。まぁ今日は今度の修学旅行で観光する場所を…」

主(どどどどしよ…自分で聞いておいて緊張して話が耳に入らない…。)

彼「どうした?」

主「え?ううん…。なんでもない。」

彼「主ん家ってそっちだろ?」

主(もうこんな所まで来ちゃってたんだ…。)

彼「わりぃ、今日このマフラー洗う予定だから、ちょっと待ってろ?」

主「ねぇ!あのぉ…。」

彼「ん?」

主(もう少し一緒にいたいな…。)

彼「どした?」

主「え?あー、ううん。なんでもない。」

彼「そっか。」

主「何してるの?」

彼「え…うん。ちょっと待ってろ?」

主「うん。」

彼「…このカイロ使いかけだけど、まだあったかいから。」

主「えっ…ありがと。」

彼「じゃあ…また、明日学校でな。」

主「…うん。またね。」


(帰宅)

主(カイロ…。まだあったかいなぁ…。はぁ…さっきまで隣にいたんだよなぁ…彼君。)

母「おかえりなさい!」

主「あ…ただいま…。」

母「外寒かったでしょ?」

主「え?あ、うん。」

母「どうしたの?」

主「ううん、なんでもない。」

母「ほら、上着脱いで。」

主「うん…。あ、ちょっと待って!」

母「ん?なにそれ?」

主「うん?あ、友達にカイロもらったの。」

母「ねえ、なんか書いてあるわよ?」

主「え?」

母「あら、ちょっと…。」

主「あ…。」

母「ねぇ、どんな男の子?」

主「な、なな、なんでもない!部屋に行くね!」

母「今度、家につれてらっしゃい!ふふふ。」

主「え!ねぇ!え?うそでしょ…。これって…。」

彼(好きだよ…。)

主「えー!!ちょっ…えーーーー!!」


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