仮
A30代
B30代
A「あれ?」
B「ん?」
A「久しぶりー!覚えてる?」
B「え?あー…うん。久しぶり!」
A「いやー何年振り?」
B「えっとぉ…。」
A「あー、同窓会以来かぁ!」
B「うーん、そうかなぁ?」
A「って、お前、ここで何してんの?」
B「あ、いや。公園をぶらぶらと…散歩ってとこかな。」
A「そういやさ!小さい頃、お前ブランコ乗ってて転んだの覚えてる?」
B「え?そんなことあったっけ?」
A「あったよー!そん時お前さ、ポケットに入れてたうまい棒が潰れて泣いてたじゃん!」
B「そんなことで俺泣いてたっけ??」
A「んでさ、俺が一本あげたじゃん!」
B「あー、もしかしてコンポタ?」
A「そーそー!お前好きだったもんなぁー。」
B「そういや昔からコンポタ味好きだったなぁ。」
A[コンポタージュってさ、実際のスープね?美味いんだけど…。」
B「うん。」
A「上にかかってるパセリいらなくね??」
B「あーわかる。あれいらないよなぁ…。」
A「大人になってあまり気ならなくなったけどな!」
B「まぁ、大半は小さい頃、うまい棒もコンポタージュも好きだしパセリ嫌いだよなぁ。」
A「まぁそうだよなー。」
B「駄菓子で思い出したけど、さくらんぼの餅みたいな四角いのあったの覚えてる?」
A「あー!あったあった!」
B「お前、そのお菓子好きだったよな?」
A「俺、駄菓子みんな好きー!」
B「お、おう…。」
A「小遣い少なかったけど駄菓子には惜しまなかったなぁー。」
B「そういや、あいつのこと覚えてる?」
A「あいつ?」
B「ほら、一緒に遊んでたあいつ…なんだっけ?」
A[あー!山本?」
B「あー、そうそう。」
A「あいつ元気?」
B「結婚して子供生まれてるみたいだよ?」
A「まじか!みんなどんどん結婚するよなぁ。」
B「そうだよなぁ。結婚してないの俺たちくらいじゃね?」
A「そうだなぁ。お前は彼女いるの?」
B「いないよ?猫飼ってるし、面倒見てるだけでいっぱいいっぱいだよ。」
A「お前猫なんか飼ってるの?」
B「一人暮らししてからね。」
A「立川、お前昔から動物好きだったもんな!」
B「うん、動物好きだけど立川ではない。」
A「え?お前…え?誰?」
B「俺?俺は山田だけど。」
A「え?山田?山田って5組の?」
B「いや、俺、地元ここじゃないし。」
A「えー!じゃあここどこだよ!」
B「いや、ここは誰だか知らないお前の地元。」
A「じゃあお前誰だよ!」
B「だから俺は山田でお前の知らない男。」
A「え?じゃあなんで話がかみ合ったの?」
B「大体子供のころは多少まずいお菓子でも食うし、パセリ嫌いなだけだよ。」
A「じゃあ、じゃあさ!何で話を合わせる真似なんていたんだよ!」
B「うーん、強いて言うなら暇だから?」
A「はぁー?」
B「それと、ここにいたのは俺あそこの段ボールの家に住んでるのと、この時間はブランコに乗って現実逃避してるから。」
A「はぁ?なんだそれ!じゃあ猫飼ってるってあれは嘘なのか?」
B「いや、それは本当。野良猫に餌あげてる。」
A「野良猫を養ってるならそれもう飼い猫だろうが!」
B「だから猫飼ってるって言ってるじゃん。」
A「あーもう!東が丘高にいた山田みたいに適当な奴!」
B「あ、俺も東が丘高行ってた。もしかしてB組の佐藤?」
A「え?あの同じクラスの山田?」
B「そうあの山田。なんだよ、久しぶり。」
A「なんだよ!もー知らない人と変な時間を共有しちゃったと思ってびっくりしただろ!」
B「ごめんごめん、俺がお前を佐藤って言ったのはあてずっぽう。適当に言ったらまさかのまさかで当たっちゃったよ。ちなみに俺、本当は山田でもないから。じゃあそろそろ帰るわ。」
(間)
A「なんだお前!」
完