劇団員

2025年04月14日

雨宮 旬(あまみや しゅん)45歳オス 演劇にて己を熱く語るニート

監督52歳

竹林 翔子(たけばやし しょうこ)28歳 独身 劇団デビューを目指して、一流企業の社会人と両立している



雨「なぜだ!なぜ私の気持ちを受け止めてくれないんだ!オードリー!」


竹「お願い!貴方の気持ちは私の心に響いているの!でも…でも貴方は…。アレンは…。」


雨「僕の何がいけないんだ!教えてくれ!」


竹「アレンとは身分が違うのよ…。私とは不釣り合いなの…。」


監「はい、カットカットぉぉ!」


雨「え?何がダメなんですか?」


監「君の熱い演技も良いけど、わざとらしすぎるんだよ。いいかい?この台本は…」


雨「100回は読みました!」


監「あ、うん。でもそこじゃ無いんだよ。100回読んでどうにかなるわけじゃないんだ。君のアレンは演出からズレてると言うか…。」


雨「そうですよ!アレンは僕に憑依してるんです!アレンと僕は表裏一体なんです!」


監「ちょっと君それ怖いよ。それと竹林君。君もアレンの気迫に押されてるじゃ無いか。ちょっと2人で役ではなく1人の人間になってやってみて。」


雨「え?素でですか?」


監「そうだ。セリフも見なくていい。素でやってくれ。」


竹「あ、はい…。素ですね。」


監「そーそー!はい!いくよー!よーい!アクションー!」


雨「なんでだよ…なんで受け入れてくれないんだよ竹林君!」


竹「もお!お願いだからほっといてよ!」


雨「え?ほっとく?」


竹「貴方の気持ちはLINEで毎日送られてきてるから知ってるの!同じ劇団だし構ってあげてただけ!」


監「おおお!いいぞ!」


雨「いやいやいやいや!よくないでしょ!こっちは恥部さらされてるからね?」


監「それでいいんだよ!いいぞいいぞ!続けて!」


竹「ったく、あんた一度鏡を見た方がいいよ?」


雨「オ、オレの何がいけなかったんだよ!劇団員のみんなで飲み会行ってLINE交換してくれたのはそっちだろ!」


竹「私、雨宮さんに教えてないから!なんか一生懸命スマホ振ってたけどLINE交換にスマホを振って交換できる機能はもうねぇーから!」


雨「え?なかったの?それであの時みんながLINE交換しようって言ってたのに誰も振ってなかったんだ。」


監「良い表情だ…。」


竹「裏で何で言われてるか知ってる?ロミオおぢさん!略してローミーおーぢ!」


雨「ロミっ…おぢ…。」


竹「それにアンタとは身分が違うし年不相応なんだよ!それに口説き方が時代錯誤だし!」


雨「どうゆうことだよそれは!」


竹「LINEの一文を読みましょうか?僕にとって君の存在は空には遠く、地には近い。君の笑顔に花咲く心は、まさに奇跡の一輪。毎日君を思う1日は…。」


雨「あーあーあー!やぁーめぇーてぇー!」


竹「おぢさん特有のポエム調の口説き文句ですよね!」


雨「あぁ…もぉ…死にたい…。」


監「頑張れ雨宮!いいとこだ!」


竹「そもそも誰がグルチャに呼んだか知らないし、そこから私にLINEしてくるようになって迷惑しかないんだけど!」


監「その地べたにこびりついたガムを見る表情…迫真の演技だ!いいぞいいぞ!」


雨「監督、演技じゃないからね?この子、本心だからね?」


竹「大体、45歳で劇団デビューなのは良いとしても、あんたニートじゃん!あたしは会社勤めしてるの!わかる?毎日、暇をしながら私のことを考えてるだけでしょ!」


雨「あっ…なんか目の前が真っ暗になった…。」


監「カットぉぉお!」


雨「え?」


監「悲痛なアレン、そしてお互いの階級の違い…。今のをセリフに乗せてやってみよう!」


竹「こんなんでよければ、私いけますよ?」


雨「いやオレが乗れないっての。」


監「ほらほら準備して!雨宮くん!竹林くんの熱が冷める前に…よーい!アクション!」


雨「なぜだ!なぜ私の気持ちを受け止めてくれないんだ!オードリー!ってこんなん出来るか!」


おしまい



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