寝落ち配信
一人台本です。静かなBGMでお送りください。
「みなさん、こんばんは。今夜も皆さんお疲れ様です。一日の疲れを癒すようにゆっくりおやすみくださいね。」
「さて、今夜はどの本を読もうかな…うーん、今日は雨だしこれにしようかな…。」
「タイトルは「雨と傘と星空と。」では読みます…。」
「ぽつぽつ、ぽつぽつ。雨が降る。僕の心に雨が降る。月が見たくて空を見上げた。」
「ぽつぽつ、ぽつぽつ。雨が降る。君の頬に雨が降る。湖面に浮かぶ波紋を見てる。」
「一粒ぽとり。二粒ぽとり。広がるよ。広がるよ。湖面に波紋が広がるよ。」
「傘にもぽとり。僕にもぽとり。君にもぽとり。」
「月を眺めにきたはずなのに。目に映るのは君の顔。」
「涙がぽろり。涙がぽろり。君の頬を伝ってく。悲しいの?寂しいの?」
「だけど君は答えない。ずっと湖面を眺めてる。」
「僕の心も泣いている。悲しいの?寂しいの?」
「だけど僕は解らない。ずっと君を眺めてる。」
「手を伸ばす。君の手、握る。一緒だよ。一緒だよ。僕たち二人一緒だよ。」
「あたたかい。あたたかい。誰かの温もりあたたかい。」
「空を見よう?空を見よう?大粒の雨、降っている。」
「見えないね。見えないね。まあるい月が見えないね。あの雲の向こうにいるのにね。」
「寂しいね。寂しいね。でも明日はきっと見えるよね。きれいな月が見えるよね。」
「泣かないで。泣かないで。きれいな月が見えるまで。君に笑顔が戻るまで。僕はこうしているからね。」
「帰り道。一粒ぽとり。二粒ぽとり。傘に雨が降っている。」
「一粒ぽとり。二粒ぽとり。二人の傘に降っている。」
「きっと明日は晴れるから。だから明日は月を見ようね。」
「おしまい。」
「えーっと、そろそろみんな寝たかな…?今日の朗読はどうでしたか?お送りしたのは〇〇(自身の名前)でした。」
「素敵な一日になりますように。おやすみなさい。」
おしまい